1.Matlab文法の基礎

(1)注釈行
   %で始まる文(ステートメント)は,プログラムの実行に無関係な注釈行として扱われる。
   通常,プログラムの説明に使用される。
   ステートメントの途中から%を付けて注釈を書き込むことも可能。

(2)入出力文
   input関数(キーボードからデータを入力)
    @ a=input('文字列')    コマンド・ウィンドウに文字列を表示し,変数aに対して
                    数値定数の入力待ち
    A a=input('文字列','s')  変数aに対して文字列を入力待ちする場合
                    sは,stringを意味する。

   disp関数(ディスプレイヘの出カ,テキストp.55参照)
    @ disp(変数名) 変数名に保存されている数値をコマンド・ウィンドウに表示。
            変数名が配列変数のとき,()を省略すると要素全てを表示。
    A disp('文字列') 文字列をコマンド・ウィンドウに表示。
    B disp(' ')      1行空白行をとる。’で挟まれた部位にはブランクをひとつ入れる。

(3)変数(データ)の型
  文字変数(文字データ)と数値変数(数値データ)に大別される。
                         
    文字型(char array)              ・・・・・各キャラクタ当たり2バイト(16ビット)
    倍精度型(double array)
           (2.2251e-308〜1.7977e+308) ・・・・・浮動小数点(実数)型データ,
                                   1変数当たり8バイト(64ビット)
                                   倍精度型→整数型への変換は
                                   uint8関数
    複素数型(double array ;complex)      ・・・・・1変数当たり16バイト(128ビット)。
                                   実部,虚部で夫々倍精度型の扱い
    整数型 (unit8 array)(0〜255)       ・・・・・符号なしの整数型データ,
                                   1変数当たり1バイト(8ビット) 
                                   整数型→倍精度型への変換は
                                   double関数
    その他,cell,structなどの型もある(テキストp.37参照)

      ただし,デフォルト(既定値)は,倍精度型である。
      なお,Matlabでは変数の型宣言あるいはデータの型宣言は不要。

(4)変数名(変数には名前を付けて区別する)
     変数名の規則    ・変数名の先頭は英字で始める
                  ・2文字目以降は英字,数字,アンダーバーが使用可能
                  ・変数名の長さは最大31文字まで。ただし,6文字
                   程度の長さまでとするのが無難
                  ・大文字と小文字は区別される
                  ・予約語(テキストp.18参照)は使用不可
 
(5)算術演算子
         演算子            機能           演算          結果
          +              加算
          −              減算
          *              乗算
          /              除算           2/3        0.6667
          ^              べき乗
          ¥             左割り           5¥45          9
 
   ・算術演算の優先順位
        べき乗 →負符号 → 乗除算 → 加減算
           ( )を用いることにより,計算順序を変更できる。
        例) -2^2→-4,  (-2)^2→4

(6)算術代入文(変数名=式)
   右辺の算術式を計算して左辺にその結果を代入
    (この場合の=は,左向きの矢印←の意味
   ・右辺にくる式を構成する変数には,この算術代入文を実行する前に事前に必ず数値変数
    の場合には数値定数(文字変数の場合には文字列)が代入されていなければならない。
   ・右辺の式の変数の型と左辺の変数の型は,一致させる。

(7)配列変数
   異なる変数名が同一プログラム中に多数存在すると,プログラムが複雑で分か
   りにくくなる。これを避けるために,性格が同じ変数をひとまとめにして添字付き
   の変数とし,添字の違いで個々の変数を区別する。

      例) 1次元配列変数  x(1),x(2),・・・,x(1000)
         2次元配列変数  y(1,1),y(1,2),・・・,y(1,10)
                     y(2,1),y(2,2),・・・,y(2,10)
                     y(10,1),y(10,2),・・・,y(10,10)
         3次元配列変数  z(1,1,1),・・・,z(10,10,3)

       ※添字が異なると,その変数に割り当てられるメモリーのアドレスは異なる。
       ※添字は,1以上の正の整数とする。

     ・配列宣言〜Matlabでは配列宣言は不要。任意の変数のサイズや数値の型は
             自動管理されている。
             なお,他の言語では配列変数を使用するためには,使用する前に
             あらかじめプログラムの先頭で配列宣言を行い,必要なメモリー空間
             の領域を確保する必要がある。宣言に際しては,予想される最大の
             大きさの添字の値,あるいはそれ以上の適当に丸められた値とする。

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