Section A 予備知識

   このセクションでは、最小限必要な予備知識のアウトラインを示しています。詳細については、
 後続のセクションにおいて具体例を通して説明します。

 

A-1 VBAマクロプログラム作成プロセス
      VBA : Visual Basic for Applications の略で,Excelに組み込まれてユーザーが
          自由に使うことのできるマクロプログラムを作成するための言語です。

  1.作業内容の確認
     対象作業と機能の設定〜何をどんなイメージで、どこまで機能を持たせるのかの
          目安を立てます。作業を具体化する過程で、はじめて認識できることが多々
          あります。あくまでも作業の手がかり、方向性を決める基本計画の段階です。
            学校業務では、作業の多くは共通の基本データ(マスターテーブル)から
          必要な部分を抽出して始めることになるでしょう。従って、マスターテーブル
          の作成が仕事の前準備として必要になります。

  2.Excel関数の標準的活用 :手作業
      先ずExcelの関数を活用するなどして、上記でイメージした作業を適宜可能な範囲内
    で手作業で完成するよう実行してみます。
      この段階は、上記イメージをより具体化し、次の手順3に繋げる為の役割を担います。
 
  3.マクロの記録活用 : 作業の部分的効率化
     手順2の個々の操作(例えば,セルやシートの選択,各Excel関数の実行など)が、
    マクロでどのように記述されるのかを「マクロの記録」を用いて確認します。
      はじめてマクロに触れる人は、個々の基本操作に適切なマクロ名を付けて保存して
    おくと、後で役に立つでしょう。

  4.マクロプログラムの作成 : 作業の自動化
     ここでは、手順3で知り得た個々の操作の記述を連結して、ひとつのマクロプログラム
    を作成します。ただし、必要最小限のVBA文法(プログラムを作成する上での約束事)の
    知識と実行時のエラー処理に対する若干の慣れが必要です。
 

A-2 マクロプログラムの作成手順
  
ルーチン化された定形処理には、マクロの記録を上手に使うと仕事の効率を上げることが
 
できます。多くの仕事はこれで十分かと思います。これでも不十分でマクロプログラムを作成
  する価値があるならば、
VBA(Visual Basic for Applications)を用いたマクロプログラム
  作成を試みましょう。

 
Visual Basicツールバーの表示
    
次の手順で行います。 
      「表示」メニューの「ツールバー」を選択し、サブメニューにて「Visual Basic」をクリック
      すると、「Visual Basic」のツールバーが表示されます。










              
図 A−1 Visual Basic ツールバーの表示
      
  
 
● 各ボタンの説明
              
図 A−2 Visual Basic ツールバー
           

  
「マクロの実行」ボタン
    
このボタンをクリックすると、「マクロ」ダイアログボックスが現れ、マクロの実行、編集、
   作成および削除の処理
ができます。
  
「マクロの記録」ボタン
    
このボタンをクリックすると、「マクロの記録」ダイアログボックスが現れ、マクロの保存
   先に任意のマクロ名を入力し、OKボタンをクリックすると、それ以降Excelの一連の操作に
   関するマクロを記録します。記録の終了は「マクロの記録」ボタンが「記録終了」ボタンに
   切り換わっているので、それをクリックします。これを上手に利用すると、一連の操作が
   マクロでどの様に記述されるのかが分かります。
      
「マクロの記録」開始 → マクロ名付与 → 一連操作 → 「記録終了」
    
以後、上記で入力したマクロ名を「マクロの実行」ボタンで選択することにより、必要に
   応じて何度でも同様操作が
実行可能となります。
   
  
「コントロールツールボックス」ボタン
    
ワークシートやユーザーフォームに配置できるコントロールのツール(例えば、コンボ
   ボックス、テキストボックス、カーソル、ラジオボタンなど)を収めたツールボックスを開き
   ます。


 
 マクロの作成手順
   
以下に,簡単に示します。
  
注意: VBAのプログラムは単独のファイルとして保存されるのではなく、現在編集して
        いるブックの一部として保存されます。

       
なお,「マクロの保存先」として既定値では「開いている全てのブック」となって
        いますが、他のブックに保存する必要が無ければ
「作業中のブック」とします。
  
(a) サブプロシージャの作成
   
1) 「マクロの実行」ボタンをクリックしてダイアログにて「マクロ名」を入力した後、「作成」
      ボタンを選択します。(マクロ名を入力して初めて、「作成」ボタンが有効となります)


             
図 A−3 マクロ名入力、選択画面
      

  
2)  サブプロシージャの先頭と末尾の2行が既に入力された状態でマクロ編集画面が
    表示されます。図A−4のSubの後ろにあるtest_1は
マクロ名であり、図A-3のマクロ
    名入力欄の名前が表示されます。
コードを入力する際には、ワークシート名、セル
    範囲を表わす一部の文字列を除き、全て小文字で入力
します。
      入力に間違いがなければ、Enterキーで確定後、
自動フォーマット機能が働いて
    コードの一部が大文字に切り換わります。スペリングミスなどがある場合には、自動
    フォーマット機能が働きません。これにより入力ミスが発見され易くなります。
     必要なコードの
入力を終えたら、「ファイル」メニューの「終了してMicrosoft Excelへ
    戻る」を選択
します。




              
図 A-4  Visual Basic 編集画面

    
  
   3)  2つ目以降のサブプロシージャを入力するには、上の1)へ戻り、新たな「マクロ名」を
    入力して「作成」ボタンを選択し、2)の手順を繰り返します。


(b) 宣言文の作成
   
サブプロシージャのマクロ名が表示されているリストボックスのボタン(上図右側test_1
   と記入されている欄の▼印)を押すと、(Declarations)とマクロ名の一覧が表示されます。
   編集画面が表示されていない場合には、いずれかのマクロを選択した状態で「編集」を
   クリックすると表示されます。そこで宣言セクション(Declarations)を選択します。次いで、
   必要なPublic宣言文などを入力します。Dim文による宣言は、各サブプロシージャの先頭
   
で行なうので、宣言セクション(Declarations)での宣言を必要としません。
    
宣言文の役割:必要なメモリ空間の確保、変数の型宣言を行なうこと

   
VBAマクロプログラムを作成したら → 不測の事態に備え上書き保存を実行

マクロの修正
    
「マクロの実行」ボタンを押し、マクロのダイアログボックスを表示します。修正したい
   マクロ名を選択した後、「編集」をクリックしマクロ編集画面を表示しましょう。


索引
ページの先頭へ戻る
目次へ戻る